「高知うまいもん散歩」第24回は、高知県南国市でたまごの生産・販売を行っているヤマサキ農場さん。現在は兄である社長と、山崎さんが兄弟ふたりで経営を行っています。ブランド卵が市場で受け入れられる先駆けとなった、特別な卵づくりのきっかけについても詳しく伺いました。
桃太郎たまごをいただきました。「たまごって、こんなにとろりと濃い食べ物だったの?」と濃厚さに驚いています。
初めて桃太郎たまごを食べた人からは、単純に「美味しい!」という言葉以外に「たまごの味が濃い」「ねばりとこくがある」という評価をいただくことが多いです。他には「白身に甘みがあり美味しい」という意見もありますね。生産者としては雑味のない、純粋な味わいの白身を目指しているので、そこを褒めてもらえるのは嬉しいことです。

白身の部分にこだわられているのですか?
いいたまごは、白身が生臭くないんです。そのため、たまごかけご飯にしてもえぐみを感じず、純粋に味の濃さやうまみを楽しむことができますよ。まずはシンプルな味付けで楽しんでほしいので、塩のみでたまごかけご飯を作ることや、他に具材を足さないたまごチャーハンがおすすめです。

山崎さんは、元々は別のお仕事をされていたと伺いました。農場を継ぐきっかけはどのようなことだったのでしょうか?
元々は、スーパーマーケットで働いていました。当時は父が経営をしていたのですが、養鶏業界は不況の時代だったんです。家業をたたむかもしれないという話を聞いて、兄と相談し戻ってきました。
鶏の餌には高知産食材も与えるこだわり。海洋深層水も!
家業を継ぐことになった時、新しく始めたことはありますか?
「ブランドたまご」を作ろうと思いました。今でこそ色々、特別なたまごが販売されていますが、当時は「ヨード卵光」くらいしか売られていない時代だったんです。父を含め、多くの人たちからそんな方法は上手くいく訳がないと言われましたが、スーパーマーケットでブランド化している商品を沢山見てきましたから、必ずうまくいくと確信を持っていました。
普通のたまごとは、どのような違いがあるのでしょうか。

鶏は雛の状態から仕入れて育てます。一般的には4ヶ月目の、大人になった状態から飼い始めることがほとんどです。そうするとすぐに卵を産みはじめるのでロスがないのですが、私たちは品質に責任を持ちたいと思い、雛に与える餌からこだわって育てています。飲み水はイオン水に海洋深層水を混ぜています。以前は通常の水道水でしたが、水を変えたことで病気の発生が劇的に減りました。
餌にはどのようなものを与えていますか?
出どころがしっかりしたものを与えるように心がけています。餌料の6割を占めるとうもろこしには、遺伝子組み換えがされたものは使っていません。農薬も使っていないものを選んでいます。他に配合しているゴマ、海草、ゆずは高知産のものを使っているんですよ。特にゆずは餌にすることで、たまごの甘みが増します。
どんな世代にたまごを食べてほしいですか?
育ちざかりのお子さんに、特に食べてもらいたいと思っています。安全な餌料を使い、健康状態に留意しながら鶏を育てているので、お母さんにも安心して選んでいただけると思います。また、たまごが苦手な方も、是非食べてみてほしいですね。
今回ご紹介した商品

本当にうまい卵は白身がちがう!
卵かけごはんが絶品の【桃太郎たまご】
事業者紹介

ヤマサキ農場
ヤマサキ農場
所在地:〒783-0053 高知県南国市国分1305-5
電話:088-862-0135
FAX:088-862-0134
「安心・安全」を追求したとき、やはりタマゴを産む鶏が何より健康でなければなりません。
そこで、鶏が卵を産みだす為の源である飼料と水には、とてもこだわって「安心・安全」なものを与える事は当然として、雛から親鶏に至るまで納得のいく鶏を自ら育てる事を大切にしています。
生き物を飼っていますので、休みが取れない事や、突発的な機械の故障など大変な面も多々ございます。
しかし、せっかくの生産者いわゆるメーカーでありますので、モノを作り出す以上、手抜きはできません。
自分たちが手塩にかけて作り出す卵で皆様に喜んでいただくことが、なにより嬉しいことです。
最後に、歴史ある養鶏家としての誇りと、高知に育てられた人間としての感謝の気持ちと共に、これからも、「高知でしかありえないこだわりたまご」を作り続けてまいります。
ライター紹介

小松田 久美
1983年生まれ、東京在住。「うまいもん散歩」の取材で四国に初上陸。高知取材に際して、google先生に高知の正確な位置を教えてもらいました。着物と猫、お酒が好きなフリーライターです。