「高知うまいもん散歩」第37回は、吾川郡仁淀川町でカフェを開き、飲むためのお茶だけでなく名産池川茶を使ったスイーツを提供している池川茶園さん。伺った時期が仁淀川の桜がちょうど満開だったこともあり、観光バスが何台も乗りつけるほどの大盛況でした。このカフェから出たくない、また来たい!!と心から思える秘密を教えてもらってきました。
うわぁ、川沿いの桜が満開!菜の花の黄色も差し色になって、極楽みたいな光景です。
池川茶園カフェは仁淀川を見下ろせる場所にある、このあたりでも一番のお花見ポイントなんですよ。「仁淀川ブルー」と呼ばれる川の色合いも綺麗でしょう?日本で一番水質がいい川に選ばれたんです。

こんな素敵な場所でお茶とスイーツがいただけるなんて夢みたい。春以外にも四季折々の景色が楽しみな場所ですね。観光バスのコースにもなっているとか。
おかげ様でご好評をいただき、直接車で来られる以外にも観光バスのコースに組み込まれています。一度バスで来た後、二度目は家族やお友達とゆっくりいらっしゃる方も多いんです。中には外国からここを目指していらっしゃる方もいます。私たちは茶農家のおばちゃんですから、特別なことはできません。でも私たちだからこそできる、美味しいお茶とおもてなしがあると思っています。
「おせったい文化」が作りだした、贅沢すぎるプリン
プレミアム茶畑プリン、かぶせ茶とほうじ茶をそれぞれいただきました。お茶ってプリンにしても、ここまで味や香りが深くなるんですね!!
一般的なプリンのレシピではお茶の香りや味が残らないので、池川茶の味わいを一番に引き出ためにレシピから考えました。優しい味わいにしたくて、甘味部分の多くは地蜜と呼ばれるこの地方の蜂蜜を使っています。緑茶に関してはプレミアムな普通ではないものを使いたくて、茶葉にネットをかぶせて育てるかぶせ茶を使用しています。ほうじ茶も自分たちで丁寧に焙ったものです。多くのお菓子屋さんではお茶スイーツに着色料や香料などの添加物を入れますが、こちらではもちろん無添加です。元からのお菓子屋さんではないのであまり多くの種類は出せないのですが、最近では焼き菓子も合わせて10種類くらいのスイーツを提供しています。
お茶自体も甘さとコクがあって本当に美味しいのですが、このプリンは価格に対して贅沢すぎるような気もします……

高知には「おせったい文化」といって、来てくれたお客さんを精一杯おもてなしする文化があるんです。人が沢山来るから機械で作ったら?とも言われますが、人の手で作るからほんの僅かな味の違いが分かるんですよね。みなさんが応援してくれて、わざわざここまで来てくれたからこそ今があるので、手を抜くなんてできません。プリンを食べてもし興味を持ってくれたら、この山の中にあるカフェにも遊びに来てほしいですね。ゆっくり時間を過ごして、日頃の疲れを癒すのに最適な場所ですよ。
今回ご紹介した商品

リピーター続出のくせになる手作りプリン。
プレミアム茶畑プリン食べくらべセット
事業者紹介

池川茶園
〒781-1606 高知県吾川郡仁淀川町土居甲695-4
TEL:0889-34-3100
FAX:0889-34-3320
池川茶園は、高知県仁淀川町池川地区にある、茶農家の女性で立ち上げた、お茶にこだわったスイーツ工房です。仁淀川町(によどがわ)は四国山脈のほぼ中心部にあります。その名のとおり、美しく雄大な仁淀川が流れる自然豊かな山の町です。旧くは江戸時代にお殿様に茶を献上してきた歴史もあるほど、お茶の栽培に適した土地柄で、中四国では一番の生産量と高い品質を誇る隠れた名産地です。しかしながら、このおいしいお茶は、歴史的に全国の茶産地とおなじく荒茶(仕上げの一歩手前のお茶)として静岡市場に販売されてきたため、茶匠など業界の方には高く評価されてきましたが、一般の方にとっては仁淀川茶はむろん、土佐茶としても知られることはほとんどありませんでした。私たちは、茶農家として少しでも多くの方に、高知県にもおいしいお茶があることを知っていただき、ぜひ味わっていただければ、という思いから、本格的なおいしいお茶とお茶スイーツが楽しめる「池川茶園」を立ち上げました。
ライター紹介

小松田 久美
1983年生まれ、東京在住。
今年、第一期の「うまいもん散歩」取材で四国に初上陸しました。徐々に高知が大好きになってきた、高知ビギナー。
着物と猫、お酒が好きなフリーライターです。