雲の上のホテル
松本 司さん
「高知うまいもん散歩」第3回は、山深い梼原町のホテルで生まれたチーズケーキ。四国中からファンが買いに来るにもかかわらず、1日に48個しか作らない理由とは?
手作りチーズケーキの味の決め手は、梼原町で採れる「かよ卵」だそうですね。普通の卵とどう違うんでしょうか?
卵白が理想的ですね。卵の品質は「黄身がエサで、白身が水で決まる」と言われています。「かよ卵」の生産者農家さんが飲み水として鶏に与えているのが電子エネルギー水。酸素が多く含まれ、なめらかなお水なので、白身がおいしくなるんです。

松本さんは高知のご出身なんですよね。やはり地元産の素材にこだわりが?
いえ、いわゆる“地産地消”にはこだわっていないんです。産地にかかわらず、理想のチーズケーキを作るための素材を探しました。
あ、そうなんですね。ちょっと意外。
なにしろこのケーキ、材料はチーズ、バター、グラニュー糖、卵の4つだけ。シンプルな分、素材が際立ちますからね。それでも色々試した結果、梼原産の卵が一番だったんです。牛乳や生クリームを使わずに卵白で生地を練るから、濃厚なのに後味があっさりするんですよ。
県外から買いに来るリピーターも多いそうですね。それにしてはあまり多く作っていないと伺いましたが、やっぱりそれだけ厳選の素材を使っているからでしょうか?
それもあるけど、作れる人が一人しかいないんですよね(笑)。他の人が同じ材料とレシピで作っても、なぜか同じ味にならなくて。だから、最高でも1日48個しか焼けません。
え。じゃあその職人さんがお休みしたら……
もう大変。その日は補充できないです。
「世界に通用する味」が基準
人気商品なのに、商売っ気ないですねぇ。
もともとは、ホテル宿泊者の方に「ここだけのおいしいもの」を提供したくて作り始めたので、大量に売るつもりではなかったんです。
なるほど。だから直営施設でしか販売していないんですね。
ええ。それに、防腐剤など一切入っていないので、冷蔵保管の温度にすごく気を遣っています。刺身みたいなものですからね。商業施設などの引き合いも多いですが、自分の目の届く範囲だけで売りたいんです。
冷凍もしないんでしょうか?
しません。解凍の具合によって味がバラついてしまいますから。誰がいつ食べても、作りたてと同じ“100点の味”を味わっていただきたいんです。「まるごと高知」からご注文いただいたお客さまにも当ホテルから直接、完璧な梱包と配送方法でお送りします。
徹底してますね。食に対するそのこだわりのルーツは、どこにあるのでしょうか?
以前勤めていた旅行会社で世界中を訪れたので、食に関しても「世界に通用するか」という基準を大切にしているんです。評判のチーズケーキも食べて回ったけど、うちが一番! ベイクドチーズケーキと思えない軽い口どけなので、お一人で1ホール召し上がる方も多いですよ。今回は4ホールセットでお届けするので、ご家族で分けたり、ご友人にお裾分けしたりして楽しんでいただきたいですね。
今回ご紹介した商品

地元でしか購入出来ない
濃厚なのに口どけすっきり
雲の上のホテル手作りチーズケーキ
事業者紹介

雲の上のホテル
〒781-2152 高知県高岡郡檮原町太郎川3799-3
Tel:0889-65-1100
Fax:0889-65-0606
四方を自然に囲まれた太郎川公園に位置し、建築家・隈研吾氏が雲の上を飛んでいる飛行機をイメージして手掛けたホテル。客室の窓からは木々の緑が広がり、檮原町の自然をそのまま感じることが出来る。
また、「町全体がホテル」というコンセプトのもと、町中心部には、かやぶき屋根風の外観が特徴的な雲の上のホテル別館「マルシェ ユスハラ」があり、檮原町特産の野菜や工芸品などを数多く取り揃える物産館なども運営中。
ライター紹介

服部 千沙
1986年生まれ、東京在住。「まるごと高知うまいもんだより」の取材で高知初上陸。四万十川の位置もあやふや!な彼女が日本酒好きを唯一の武器に、20代女子目線で高知食材のおいしさの秘密に迫ります。