株式会社 ベストグロウ
小八木 喜尊さん
東 宣雄さん
「高知うまいもん散歩」第7回は、高知県の西部にあるのどかな山村に佇む巨大ビニールハウスにお邪魔しました。ここはベストグロウさんのトマト農園。最先端の設備と農法で、貴重な黒いトマト「しまんと黒べぇ」を作っています。
黒いトマトって初めて食べたんですが、果肉が厚くて食べ応えありますね。カプレーゼに向いてるっていうのも納得。
普通のトマトより青臭くないから、トマトが苦手な人にもおすすめです。後味さっぱりでフルーツみたいに食べられるでしょう?

確かに。調べたら栄養価も高いみたいですが、それにしては普及してないのは何故でしょう? もっと流行っても良さそうなのに。
普通のトマトより育てづらいし、種が貴重なんですよ。だから種苗業者さんも信頼できる農家にしか売らないそうです。中玉以上の黒トマトを栽培しているのは、日本ではうち含め2カ所だけですよ。
なるほど、どこでも作れるわけじゃないんですね。この農園ではカゴメの生食用トマトも契約栽培されているそうですが、そういう基礎があるからこそできるのかな。
そうですね。カゴメさんのトマトに対する真摯さに、長年応えてきたという自負はあります。たとえば今、1㎡あたりの農薬量はカゴメ契約農家でうちが一番少ないんですよ。それに、3年前からは「化学農薬無散布」に挑戦してます。今年種まきした分は、今のところ化学農薬ゼロを貫いてますね。こういうの、病気や害虫を早期発見できる管理体制がないと、なかなかできることじゃないんです。
難しい黒トマトも、おいしく作れる仕組みがあったわけですね。やっぱり化学農薬を使わないのって大変なんですか?
そりゃもう! トマトは作期が長いから、すごく難しくて……。でも天然農薬とか誘引色を使った粘着板とか、アナログな方法も駆使して頑張ってます。赤トマトも黒トマトも。もちろん化学農薬よりずっと手間も費用もかかるけど、安全性とおいしさを考えたら、使わない方が良いに決まってますからね。
トマト作りのこだわり、他には?
人口授粉だと種無しのトマトになってしまうので、自然授粉にこだわっています。蜂による自然授粉の方が、果形が良くて規格に見合う良いトマトになるんです。それから、栽培に使うのは三原村が誇るおいしい地下水。飲み水としておいしい水を使うのは、野菜作りの基本ですね。
トマトを「丸かじり」するような、シンプルなジュース
生食用トマトだけでなく、加工品も好評だとか。トマトのドレッシングとマヨネーズって珍しいですよね。
加工品事業は始めてからまだ5年ほどだけど、他に見ない商品なので何度も指名買いしてくださる方が多いですね。最初のうちは道の駅でしか売ってなかったんだけど、旅行者の方がお土産に買ってから気に入ってくれて、直接お問い合わせをいただいたり。

原材料がシンプルですねぇ。ドレッシング「サラダ自慢」はトマトに砂糖、酢、食塩、ゆず果汁、バジル、香辛料のみ。でも赤色が鮮やか。
「サラダ自慢」1本にトマト3~4個使ってます。三原村産のゆずが効いてて、生野菜はもちろん、刺身やパスタに使ってもおいしいですよ。「とまとのマヨ」は赤色にしたくてトウガラシを混ぜたら、絶妙なピリ辛味になって。サンドイッチや揚げ物にぴったりです。
そして「みはらトマトジュース」。私、正直トマトジュースって「ノド渇いてるときは無理」って思ってたんだけど、これならいけます! 口当たりがサラサラですね。
そうなんです。妻が作るトマトジュースのサラッと感が好きで、お手本にしました。新鮮なトマトをミキサーにかけて、黒潮町の天日塩を一つまみ加えるだけ。グツグツ煮しめないから、ソースっぽくならないんですよ。

そうそう、普通のトマトジュースは“料理”っぽいけど、これはちゃんと“ジュース”って感じ。でもトマトのおいしさは感じられますね。
トマトと天日塩しか使ってないですからね、丸かじりしてるみたいなものです。安全でおいしいトマトへのこだわりは、生でもジュースでも感じてもらえるんじゃないかなぁ。「しまんと黒べぇ」は少し若いくらいが甘くておいしいので、食べ頃を計算してお届けします。黒も赤も、どっちも味わってほしいですね。
今回ご紹介した商品

トマトの宝庫
高知からのとっておき
しまんと黒べぇ

原材料はトマトと天日塩のみ
トマトをまるごといただきます
みはらトマトジュース24本セット

三原村のざまにうまい!をお届け
ベストグロウ バラエティセット
事業者紹介

株式会社 ベストグロウ
〒786-0026 高知県幡多郡三原村大字 来栖野32-3
Tel:0880-46-2433
Fax:0880-46-2433
カゴメ㈱の契約農園で、商品の大部分がカゴメの商品。農園は巨大なハウスになっており、センサーで気温・湿度・日照量などを感知し、トマトの生育に最適な条件になるようにコンピューターで制御するなど、世界に通用するような農業の施設、栽培技術を確立。農業先進国のオランダから学び、世界水準に追いつけ追い越せの気概で全社員一丸、日々奮闘し、トマト栽培に取り組んでいる。
ライター紹介

服部 千沙
1986年生まれ、東京在住。「まるごと高知うまいもんだより」の取材で高知初上陸。四万十川の位置もあやふや!な彼女が日本酒好きを唯一の武器に、20代女子目線で高知食材のおいしさの秘密に迫ります。