コーラルフルーツ農場
社長 岡 雅司さん
「高知うまいもん散歩」第21回は、文旦やみかん栽培に適した環境を数年間かけて探し求め、高知県西部に位置する黒潮町と大月町に有機発酵肥料100%の栽培農場を構えるコーラルフルーツさん。毎年予約分で販売終了してしまう、大人気の「龍馬感激みかん」についても伺いました。
文旦は「酸っぱい」「苦い」という印象がありますが。
私たちの文旦は、1月の半ばから収穫を行いさらに追熟させたものです。収穫のタイミングも一般的な収穫時期に比べて1ヶ月多く木に成らしたままにしています。そうすることでより栄養素を取り入れ、苦味がまろやかになり、熟して甘さが増し美味しくなるんです。
文旦を育てるには日照のバランスが大切です。朝から晩まで、一日じゅう日にあたっている環境がベスト。南国と呼ばれる高知でも地域によっては1月、2月に気温が落ちるので、霜が降りない土地を探しました。

土地から探し始めたのですか?
アメリカに行き農業研修をしてきたこともあり、栽培に最適な場所を選びたいと思っていたんです。航空写真を見て土地を確認し、役場に行って所有者を把握し交渉を重ねました。現在の納得できる土地が揃うまで、3年ほどかかりました。
日照以外では文旦やみかんを育てるために、どのような環境が最適なんでしょうか?
水分が多すぎない、少し水が足りないくらいの環境が最適です。畝(うね)と呼ばれる、土を少し盛り上げたなかに苗を植えてわざと水はけが良い状態を作っています。農場は海辺にあるので、潮風があたることも果物を美味しくするポイントですね。
リピーターの好みに合わせた味わいを送る工夫も
もう今期は販売終了してしまいましたが、「龍馬感激みかん」はすごく気になります。名前がとても印象的ですね。
一度目にするとすぐに覚えていただけます。予約で完売してしまうほど人気の商品です。文旦に関してもですが、お客様からは「後味にうまみを感じる」「甘いだけではない美味しさ」という言葉をいただいています。
木が成長するとき、実が大きくなるときなど段階に合わせて、魚粉や昆布かすなどを発酵させた有機肥料を調合し散布しています。手作りの肥料なので状況に合わせて濃度や中身を変えることができ、糖度が高いだけではないうまみのある果実ができるんですよ。
リピーターの方には、好みに合わせた味を発送すると伺いました。

甘さを一番に重視される方もいますし、酸味が強めのもの、バランスが取れているものが好きなどお客様によって好みは様々です。リピーターの方にはご意見を伺って、特にみかんの場合には好みの味わいのものをお送りするようにしています。文旦の場合は、さらに熟させたいときには袋に入れておくといいですよ。柑橘は乾燥が苦手なので、湿度を保つことに気をつけてくださいね。
美味しい状態であるかの見分け方はありますか?。
完熟しているかの見分けかたは、香りを確かめることです。甘い香りがしていれば完熟の証拠です。爽やかな香りの場合には、まだ熟しきっていない状態です。好みの味わいを見つけて、高知の美味しい果物をフルーツ好きのご家族に食べていただきたいですね。
今回ご紹介した商品

追熟された甘みとうまみたっぷりの果実
季節限定をぜひお試しあれ!
完熟土佐文旦
事業者紹介

コーラルフルーツ農場
高知県南国市十市 1443-1
0880-72-1583(農場)088-865-2703(直売店「土佐の百姓家」)
おいしさ7つのこだわり
①朝からず~とお日様のあたる山の上の一枚畑。
②霜の降りん所で完熟作り。
③排水最高の高畝栽培。
④うまい根を守り育てる岩マルチ栽培。
⑤必要最小限の水でコントロールするドリップかん水。
⑥発酵有機肥料100%でうまみが濃い。
⑦微生物の力を最大限に生かす、40回を超える酵素の葉面散布。
ライター紹介

小松田 久美
1983年生まれ、東京在住。「うまいもん散歩」の取材で四国に初上陸。高知取材に際して、google先生に高知の正確な位置を教えてもらいました。着物と猫、お酒が好きなフリーライターです。